ウェルナーチェロ教則本について

教則本

みんな知ってる定番教則本!

チェロを習っている人であれば聞いたことがあると思います。 

日本での初版は1984年だそうです。補訂を担当された藤沢俊樹氏の前書きによれば 

著者ヨーゼフ・ウェルナーは長年にわたり実地の音楽教育に携わり、 

その経験に基づいて書かれた教則本である。 

最も大きな特長は「なによりも実用的であるという点」である。 

とのことです。

構成は以下のようになっています。 

 PART1 Book1  開放弦、第1ポジション

       Book2  第4、3,2,ハーフ、5-7ポジションの順に掲載 

 PART2   Book3 装飾音符、アルペジオなど 

     Book4 半音階、重音、サムポジション

第1ポジションの練習にBook1の大部分を費やしているのが、特筆すべきところだと

思います。  

ピアノで言うとハノンみたいですが…

C線からA線の4本の弦それぞれについて指の位置を訓練できるようになっています。 

はじめは各指の位置の確認次にそのポジションで弾ける練習曲。

シンプルな音の動きの連続である、いわゆるメカニックな練習が多いですが

他にもスケール、3度音程や4度音程など、音程の幅の感覚を養うような練習

美しい旋律的な練習曲もあります。 

2つのチェロで合奏できるような練習曲もあり、先生やお友達と一緒に楽しめます。

Youtubeには、各パートをご自分で弾いてそれを合わせて編集している動画も

多数アップされています。 

中には伴奏パートだけ動画でアップしているものもあり、 

その動画に合わせて弾いてみるのも楽しいと思います。 

Book1 ボウイングと第1ポジション

Book1の最初は開放弦の練習です。こういう練習は本当に大事だと思います。 

ロングトーン、移弦など弓の動きを開放弦で練習することは

演奏の時にいい音を出すことにつながるので、日々自分の右腕の動きを確認したいところです。 

私が教わっている先生は、

「曲を弾く前に5分くらいでもいいので、開放弦の練習をしましょう」

レッスンの時には毎回言っておられます。

Book1の冒頭はそういう練習に最適だと思います。 

そこからはひたすら第1ポジションです。 

スケールも何度も出てきます。同じスケールでもボーイングのパターンを変えて

何度も弾けるように作られています。

旋律的な練習曲も多くありますが、それもまたリズムを変えて練習できるように

書かれていますし、拡張形の練習もふんだんに盛り込まれています。 

私が思うに、このいろいろなリズム、いろいろなボーイングのパターンで弾いてみる

ということが、とてもいい練習になるのだと思います。

Book2 各ポジションの基本練習

Book2の冒頭は第4ポジションで、そのあと第3ポジション、第2ポジションという

順番になっています。 

はじめて見たときは、なんで第1ポジションの次が第4ポジションなの?

と思いましたが、今になって考えると

第4ポジションは、第2や第3に比べて手の位置が覚えやすいと思われ、

まず第1ポジションと第4ポジションの練習をしてからその間の第2や第3ポジション

の練習をするのは理にかなっているいるように思えます。 

PATRT1の55ぺージ、Allegro moderatoは第1ポジションと第4ポジションを行き来しながら

弾く曲で、この曲は折に触れて何度も練習しました。

第4ポジションで弾けるということがなんだかかっこいい気がして、何度も弾いていた

記憶があります。

こうして第2~第4ポジションまでの練習を終えると、

次に第5~第7ポジションまで練習できるようになっています。

この本の使い方

とても良い教本だとは思いますが、分量がかなり多いので、

すべて弾くのは大変だと思います。正直単調で飽きてしまうような気がします。 

ポジションの確認のためのパターン練習、スケール、旋律的な練習曲の中から

何曲か選んで、といった具合に、毎日の練習の中に少しずつ取り入れていく方が

飽きずにできると思います。私は、「今練習している曲に第5ポジションが出てくるから、

その部分をよく練習したい」など、目的に合わせて部分的に練習したりしています。 

最近は拡張形が安定しないので40ページの第1ポジション拡張形の練習曲を弾くようにしています。

どの曲を練習すればよいか、先生に聞いてみるのもいいかもしれません。

PART2はまだそんなに弾いていません

PART2は中級~上級者向けという感じがします。 

私は、ハイドンのチェロ協奏曲第1番を弾きたくて、ハイポジションの練習

が必要だと思ったので、昨年くらいに買いました。 

親指のポジションの練習は、親指を弦に乗せて、そこで押さえて弾くのですが、

かなり痛いです。痛くなって挫折して、治ったらまた練習して、といった具合です。

それ以外のところはまだあまり練習していません。

PART2はPART1に比べて、音数が多いためか、

ぱっとページを開いてみたときの密度が高い気がします。

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